コーヒーテーブルがこの場所から始まった理由 #1 【言葉への愛着】

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みなさんは、新しく自分の家を建てる時、あるいは引っ越してきた街で住むマンションを探すときなど、どのような理由で、どのような条件で、その場所を選択しますか?

「自分が好きな景色があるから」

「静かそうだから」

「職場に近いから」

「友達が近くに住んでて、住みやすいと聞いたから」

「治安は悪そうだけど、とにかく家賃が安いから」

こうしたさまざまな理由で、人々は住む場所を選択しています。

会社勤めの方は、職場の場所を好きに選択することは出来ません。
配属された勤務地で仕事をすることになりますよね。

コーヒーテーブルは、僕の仕事場です。

自分でお店をつくる権利を獲得したため、当然ですが、お店をつくる場所は自ら決めることになります。誰かが決めてくれるなんてことはありません。

なぜコーヒーテーブルはこの場所で始まったのか?

結論からお話すると「ローカル(Local)という言葉に愛着があったから」

2014年の晩春。
街ゆく人々は薄手の長袖を羽織り、初夏の穏やかな風を遠くから感じる季節。
僕はお店をつくるための場所を探していました。

当初、比較的人の多い通りの周辺で空き物件を探していましたが、なかなか良い出会いがありませんでした。

ただ、漠然とした希望というか要望を自分の中に持っていました。

「古町というエリアにカフェをつくりたい」

古町と呼ばれるエリアは、新潟駅を背にして萬代橋を渡った先にあり、新潟駅からは徒歩で二十分、車なら五分程度の距離。

当時は古町のことをろくに知りもしませんでしたが、古町と呼ばれるエリアに魅力を感じていて、僕の直感もそうしろと言ってました。「何か」に惹かれていたんでしょうね。

古町には、昔ながらの街並みが残されています。

昔ながらといっても、京都や金沢のような日本の歴史的な姿ではなく、昭和を思わせるリアルな生活が垣間見える “ 昔ながら “
古い民家や長屋の名残を思わせる家屋が立ち並び、古町エリアの中心を通るアーケード街には、魚屋から八百屋、精肉屋、花屋、パン屋、美容室、年季の入ったパチンコ屋や、歴史ある判子屋や絵葉書屋もある。多くの個人商店が軒を連ね、商店の前の道では、手書きの値段を貼った朝取れ野菜をおばあちゃんたちが売っている。

そこから少し離れたところには、日本一長い川として知られる信濃川が堂々と流れ、そのほとりには、やすらぎ堤という名で親しまれ、人々の生活の道にもなっている河川敷があり、その近くには空中庭園を有する大きな劇場や白山神社まである。

「劇場がある街」という言葉のニュアンスも、昔から好きだった。

エリア内には、名のつく通りが何本もあり、碁盤の目のようにして一番町から十三番町まで存在していて、恋人や友人と待ち合わせるときは「◯◯通り五番町のコンビニ前で待ち合わせね」なんてやりとりが交わされています。

ニューヨークのようにおしゃれで洗練された都会的な姿ではないけど、そしてニューヨークほど綺麗に整った碁盤の目ではないけど、そのような要素を持ち合わせた街の不完全な構図に、僕は愛着を抱いていた。

とはいえ、イメージが湧く物件になかなか出会えずにいると、かねてからお世話になっていた知人に「自分たちの事務所が入っているビルの1Fが空いている。もし興味があれば見にこない?」と連絡をもらいます。

つづく。

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