歩調

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コーヒーテーブルでは現在、季節の移ろいに合わせて、月毎にコーヒーやケーキの新作をご提案しています。

丸くて青々とした地球には気候の流れがあって、当然その気候の影響を受けることで、僕らが住む小さな日本でも四季固有の美しい情景に触れることができます。

お店をつくった当時は、季節に対する意識は薄かったように思います。そもそもカフェと季節の関係性を意識してなかったし、むしろ「カフェは一年中どんな時も同じものが提供されるべきだ、それが日常の休息に必要なことなんだ」みたいな考え方でした。これはもうそれぞれのお店の考え方なので、良い悪いの話じゃないんですけどね。ただ自分の当時を振り返ると、いろんな部分でやや自分本位の考え方が強かったように思います。あの頃は若かった、ということにしておいてください。

カフェをしていると、自ずと時間の流れを感じる瞬間があります。

例えば、卒業や新生活のシーズン。足繁く通ってくださったお客様が転勤や卒業で県外へ引っ越す姿や、逆に県外から新潟へ仕事や結婚を機に引っ越してきましたという話を聞くと「ああ、春か」と、こう感じるわけです。カフェとは、こうした季語のごとく、季節を示すようなお客様の生活の変化が垣間見える場所でもあるんですよね。だから、いつも季節に身を置いているということの理解が自然とすすみます。

少しづつ季節と自分の仕事の歩調が合ってくると、買い物をしている時でも「なるほど、今はこの野菜の季節か」とか「お、この果物はそろそろ終わりなのか」とか、季節というフィルターを通して目の間の事象を捉えていく、という変化が生じてきます。

すると今度は、歩調が合っているまさにその瞬間、つまり旬の世界に興味が湧いてくるわけです。旬の真っ只中、あるいはピークにはどれほどの美味しさがあるのだろう。太陽を隠してしまうほど高々とした嶺を見上げた時の憧れや好奇心と同じですね。

旬だから全ての食物が美味しくなる、ということではなく、旬の時期にしか出会えないものがある、ということ。

特定の時期、あるいは特定の場所でしか食べることができないという、時と場所の領域の制限のようなことや、英語で示すところのEspecially、特定の時期にはこの果実はとりわけ甘くなるといった大地や太陽からの季節の贈り物のようなもの。

こうした季節と歩調を合わせることで享受できる体験の美しさに、八年という歳月をかけてやっと気づいたともいえるし、ある意味においては、とても有機的なかたちで先方に気づかせてもらったとも言える。

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