温かいグレー

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コーヒーテーブルの店内の壁の色は、グレー。

過去にお客様に「コーヒーテーブルのイメージカラーといえば?」と聞くと、半分くらいのお客様は「グレー」と答えたことを記憶しています。

グレーの壁にした理由は、内装は無機質でありたいと思っていたから。

カフェなのに、無機質?それだとどこか冷たい印象にならない?という意見もありますが、そこには僕なりの意図がありました。

無機質と有機質の相対的な関係の話

内装から家具まで全て木材でおおわれたような、そこにいるだけで温かみを感じる空間も素敵だと思います。

ただ僕がつくろうとしていたのは、自宅ではなく、カフェ。
コーヒーやケーキ、そして人がそこに在ることをカフェとして表現したかった。

カフェとは、一枚の絵画。
お店の内装はある種の真っ白なキャンバスであり、コーヒーやケーキ、そこで働く人やお客様が絵の具であるようなイメージですね。前者が無機質な要素で、後者が有機質な要素。

少なくとも僕が理想とするカフェは、ただのおしゃれな箱ではなくて
コーヒーの香りやケーキが焼きあがる時の香り、そして働く人間やお客様同士の会話、それらが入り混じって織りなす味わい深い空間だと考えています。

有機質をより際立たせる意味でも、内装自体には無機質な要素が必要だと考えました。それは冷たさを演出するためじゃなくて、むしろ温かみを表現するために必要なことだったんですね。

暑い日の冷たいビールが、とても美味しく感じるように
寒い冬の日に食べる温かい鍋が、心にも染み入るように

相対的なものが肩を並べる時、それは、互いを引き立て合う瞬間でもあり

同時に、調和を生む瞬間でもある。

暑い日だけがそこにいるだけなら、それはただ暑いだけになる
だけど、そこに冷たいビールがあれば暑い日差しも心地よく感じられるし、ビールもより一層美味しく感じられる

内装を決めるときには、雰囲気の好き嫌いだけでなく、コーヒーテーブルはどういう空間でありたいのかという問いも大切にしました。

コーヒー、ケーキ、働く人、お客様

有機質のものたちに、舞台上でスポットライトを浴びさせるには、どうしたらいいのか

そんな思考の先にあったのが「温かみを出すためのグレー」だったんです。

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